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入選 |
一般部門 |
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ダンナのスパルタ入浴法
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大阪府 パート 29歳 中川香織 |
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2,376gで生まれた我が家の小さなお姫様が、1週間の病院生活を終え無事に自宅に戻ってきた。未熟児の娘の体はとても小さくて壊れてしまいそうにはかない。着替えをさせるのに少し腕を曲げるだけでも、肩が抜けて腕が取れてしまいそうだった。 そんなはかなげな娘だったから、裸にして、それも隅々まで洗わなければならないお風呂は私にとって何よりも恐ろしい仕事だった。 恐々接しているのがわかっていたのか、私がお風呂に入れると娘は大泣きした。 「ほらほら大丈夫やで。何も怖くないで!」と言っている私自身が怖くて怖くて、つるっと手を滑らせてお湯の中にぶくぶくぶく…なんてことになったらどうしよう? 「ほんなら、俺が入れよか?」 早く帰宅したときはダンナが入れてくれることになった。 大きな手に身を委ねて、娘はとても気持ちよさそうで、私が入れるときみたいに泣く事は滅多になかった。 ベビーバスを卒業し、一緒に湯船に入るようになっても、私の「恐々」は治らないまま そんなある日、私はすごい光景を目にした。ダンナがまだ5ヶ月の娘の顔に、手ですくった大量のお湯をばしゃばしゃかけて顔を洗っていたのだ!! その頃の私はガーゼで顔を拭くのが精一杯。少しでも娘の顔にお湯がかかってしかめっ面をされたりなんかしたら「ごめんごめん。」と慌てて拭いていたのだ。 「ちょっと!鼻にお湯入るんちゃうん?」 「ん?」とダンナがこっちを見た。 「顔。ガーゼで拭くくらいでいいんちゃうの?目とか鼻にお湯入るかもよ!」 ダンナはふっと鼻で笑ってこう言った。 「過保護やなぁ〜。そんなんいけるよ。」 そのうち、頭を洗う時も寝かせないでじゃあ〜と頭のてっぺんからお湯をかけるようになった。 「ちょっと!耳にお湯入るんちゃうん?」 「だから、大丈夫ってば!!」 雑と言うか乱暴と言うか…でも、せっかく育児に参加してくれているダンナにそうキツク言うわけにもいかず、「まぁ大丈夫なんやろな。」と自分を納得させるようにした。
時は流れて… 3歳の娘は自分で洗面器のお湯を頭の上からじゃばじゃばかけて、シャンプーのボトルを押し、頭をゴシゴシ洗えるようになった。流す時も「はい、下向きや。」と言うと、目をつぶってシャンプーが流れるまでじっとしている。 我が子ながら、エライなぁ〜と毎日のように思う。と言うのも、私自身小学校になってもシャンプーハットなしでは頭を洗えなかったし、顔にお湯がかかることが極端に怖くて、それ故プールで顔をつける事も嫌で嫌で仕方なく、結局泳げないまま大人になってしまったのだ。 保育所の先生にも誉めていただいた。プールの時間、頭からじゃばじゃばお水かけてるんですよ。嫌がる子が多いのに、すごいですねって。 これも、ダンナの大胆な入浴法の賜物。 「小さいうちからしといたから、当たり前のことになったんや。お湯でじゃばじゃば顔を洗う事は何も悪い事やない、当たり前のことやからな。」 お風呂だけにとどまらず、ダンナのスパルタ育児は今日も続いている。 日中、娘と二人で紙飛行機を作り、テーブルの上に立って飛ばして遊んだのだが、夜になり帰宅したダンナの前で「お父さん、見て!飛行機するで!!」とテーブルの上に足を上げた瞬間「こら!そんな所に登ったらあかんで!!」 娘はちらっと私の方を向く。その目は「何で私だけ怒られやなあかんの…。」と物語っている。ごめん、ちなっちゃん!!お父さんには内緒にしてな!
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