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第7回スキナベーブ赤ちゃんエッセイコンテスト


入選 遠藤保匡
孫まごしてます 千葉県 自営 51歳

 まだ、49になったばかりだというのに、初孫が出来た。3450グラムの男の子だ。確かに、長女を持ったのは私が24の時で早いといえば早いから、49で孫が出来たのも、当たり前といえば当たり前だ。そういえば、私の父も49で初孫(私の長女)が出来た。不思議なめぐり合わせだ。
 産院に行った。新生児室で眠る初孫を見て、込み上げるものがあった。初対面で、父が撮ってくれた赤ん坊の私の写真を思い出した。そっくりなのだ。あまりにも似ていたのだ。
 孫と言う名の宝物……と、歌にもあるが、まさにその瞬間、私には宝物が出来た。
 日本だけではなく世界中で生まれ変わりの思想があるが、昔の人は自分の父や母にそっくりの子供が生まれて、生まれ変わりだと思ったのだろう。自分そっくりの孫が出来てそんな考え方に素直に頷ける。
 我が家に産院から戻って来て、仕事の遅い義理の息子に変わって、私が風呂に入れる。三人の子供を育て上げた私だが、首の座らない赤ん坊を風呂に入れるのは久し振りだ。
 熱くないか、慎重の上にも慎重を重ねて湯加減をみる。
「おおぃ、いいぞう」
 娘が風呂に連れて来る。こっちは真っ裸だ。少し前なら「きゃぁ」って叫んで逃げていった筈の娘だが、さすが母親になって、今は子供の事しか頭に無いらしく、気にしないで慎重に私に抱かせる。そして、湯舟に入るまで心配そうに見つめている。
 左手に首の後ろを乗せ、右手を添えて、湯舟に身体を静める。
 一瞬、身体を震わせたが、気持ち良さそうに、小さな口で欠伸をする孫。その口元はどこか女房に似ていると始めて思う。少し、がっかりする。
 我が三人の子供を風呂に入れた日々の事を思い出す。長女は団地の狭い風呂だった。長女は風呂が大好きで、泣いていても風呂に入れると泣きやむ子だった。そして余りの気持ち良さによく、風呂でウンチをした。そんな事を思い出しながら初孫との初風呂だった。
 その初孫も、今では二歳になり、妹も出来た。最近は私の事を「ジジ」と呼ぶ。私の父は50前に孫が出来て「じいさんとは呼ばせないぞ」と、言って「グランド」と呼ばせていた。今でも近所の人たちにグランドと呼ばれている父。じゃぁ、私はなんと呼ばせればいいのだ。そう思ってみたが、いい案は浮かばない。そんな私の心のうちなど知らずに孫は「ジジ」と言う。「ジジじゃないぞ」と私が答えるのが面白いらしく、余計に「ジジ、ジジ、ジジ」と言う。実は心の中では満更でもないと思っていたりもする。
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