100日目のありがとう|赤ちゃんの沐浴はスキナベーブ

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持田ヘルスケア株式会社

エッセイコンテスト

スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト

【第12回】~ 赤ちゃんへの手紙 ~

入選

・100日目のありがとう

宮城県  会社員  女性  34歳

こうちゃんへ
今日は誕生100日目ですね。おめでとう。そして、100日間ありがとう。
あなたと一緒にいると、みんなが優しくしてくれるような気がして、ママはとても幸せな気持ちになります。
あなたがママのお腹にいるとき、何度も電車やバスで席を譲ってもらいました。小さな声でお友達と相談し、勇気を振り絞って「どうぞ」と言ってくれた小学生の女の子。自分が座っていた座席にかばんを置いて、少し離れたところにいる私をわざわざ呼びに来てくれたOLさん。具合が悪くなった時、「席を譲ってあげてくれませんか?」と、座っている人にお願いしてくれた人。今でもよく覚えています。してもらったことをお手本に、今度は私達がさっと席を譲れるようになりましょうね。
そうやってママは大きなお腹で通勤を続けることができました。会社でも、とても大事にしてもらいました。重たい荷物を運んでもらったり、薬品を使う仕事は代わってもらったり。「冷えないようにね」「足元に気をつけて」といつも声をかけてもらいました。
こうちゃん、あなたは沢山の人の優しさに守られて無事に生まれてくることが出来たのだと思います。
最近はあなたを抱いてお散歩していると、知らない人によく声を掛けられます。「かわいいね」「何カ月?」「今日は暑いから大変だね」慣れない土地へ引っ越してきたばかりのママにとって、地元の方に声を掛けてもらえるのは心強いことです。挨拶を交わし、何気ない一言二言のやりとりをするとホッとして、ここで頑張ろうと思えます。そして、あなたと一緒だと、なぜか自分からも道ですれ違う見知らぬ人に挨拶できるのです。
赤ちゃんって不思議ですね。あなたが、周りの人とママを温かく結び付けてくれているようです。
よその人ばかりではありません。ママの両親、じいじとばあば。ママは妊娠、出産を通して、自分が本当に大切に育ててもらい、今でも大切に想ってもらっていることを、実感しました。労を厭わず協力してくれる姿に感謝し、心のどこかで、自分一人が大変なつもりでいたことを恥ずかしく感じました。二か月半の同居の間に、孫のあなたも愛情をたっぷり受け取ったでしょう?
そしてパパ。あなたは仕事の都合で、結婚しても遠くに離れて暮らしていたパパとママをしっかりと結び付けてくれました。「パパが東京に来ているときに出てきてね」という、ママのお願いを聞いて、あなたはパパが東京へ出張で来た時を選んで生まれてきてくれました。おかげで長くて苦しいお産でしたが、パパとあなたと三人で頑張りぬくことができました。最後は手術であなたを取り上げてもらったけれど、三人でお産の経験を分かち合うことができて、陣痛に耐えたあの時間が、私たちを家族にしてくれたのだと思っています。
今、パパが待つ宮城へあなたと引っ越してきて三週間が経ちました。まだ首も据わらないあなたを連れて慣れない土地へ来ること、生活習慣の違うパパと初めて一緒にくらすこと、色々なママの不安をよそに、パパはお家をピカピカに掃除して待っていてくれました。
夜はなるべく早く帰って、あなたをあやしたり、家事も手伝ってくれます。毎日の生活の中で、ぶっきらぼうなパパの優しさを感じています。
あなたがいるから、パパはうんと頑張ってくれていると思います。そして、あなたがいてくれるおかげで、ママはパパの優しさを素直に受け止めて、感謝することができます。
もしもあなたがいなかったら、ママはもっと思い上がってパパと離れた結婚生活を送っていたかもしれません。ママがパパときちんと向き合って夫婦になれるように、結婚して間もない私たちに神様があなたを授けてくれたようにも思えます。
今日まで、周りの人の優しさに包まれながらあなたと一緒に私も少しずつ成長してきたと思います。あなたがくれた幸福な時間に感謝です。生まれてきてくれて、ありがとう。101日目からもよろしくね。

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