持田ヘルスケア株式会社

スキナベーブ エッセイコンテスト

【第9回】
~ 赤ちゃんと笑顔 ~

入選

まんまる天使

大阪府  主婦  27歳

生後7カ月の頃、あなたをパパに預けて出かけた事がある。
1人で行動するってこんなに身軽だったかな。
私の私による私のための時間。
久しぶりの電車、久しぶりのにぎやかな街に、思わず足取りも軽くなる。
自分の事だけ考えていれば良かった頃は気楽でよかった、とおセンチにさえなった。
夕方、用事が終わるも電車に乗るのをためらってしまう。電車に乗ってしまえば、私の自由時間が終わってしまうから。
だけど、もう、帰らなくちゃ。今頃きっと泣いている。
ガタンゴトン。
座っていると、「お腹に赤ちゃんがいます」というなつかしいキーホルダーをつけたお姉さんを見かけた。肩をたたいて席をゆずった。
ガタンゴトン。
妊娠中、通勤していた頃を思い出した。
電車に乗るといつも元気な胎動を感じた。
電車が好きなの?揺れが好きなの?
男の子かな?女の子かな?
もしもし、あなたは、私の中で、元気に、育って、いますか?
妊娠が発覚してから、だしや調味料を全て無添加に買い替えた。胎児に悪いとされる物は一切口にしなかった。うんざりするほどホウレンソウや小魚を食べた。電磁波を徹底的に避けて生活した。お百度参りのお地蔵さんに毎日手を合わせに行った。
今から思うと「ストイックな妊娠生活だなぁ」と我ながら苦笑してしまうけど、10カ月間いつもあなたの健康だけを祈っていた愛おしい時間。
そんな期待と不安をいっぱい抱えた妊娠生活を経て、生温かい生まれたてのあなたをこの腕に抱かせてもらった瞬間、感動で全身が震えた。「かわいいかわいい」と号泣するしかできなかった。
今日まで生きてきて良かったとさえ思った。
人生で最高の瞬間だった。
ガタンゴトン。
無性にあなたに会いたくなって、駅から家までダッシュした。
息を切らして玄関を開けると、「泣いて大変やった。」とげっそりしたパパの顔。
その腕に抱かれたあなたは、キョトンとした顔で私を見つめ、その直後ニカっと笑った。
ひまわりの花が勢いよくパッと咲いたような、まんまる明るいあなたの笑顔。
力いっぱい抱きしめて確かめる。
そうそう、そうだった、ここが私の幸せの場所。
独身の頃のように、時間を気にせず遊んだり、楽しくお酒を飲んだり、欲しいものを買ったり、そんな楽しみ方は確かにできなくなったけど、初めておっぱいに吸いついた瞬間、おすわりできた瞬間、寝返りできた瞬間、ハイハイできた瞬間、突然訪れるそんな瞬間にいつも喜びを感じる。驚いて、感動で泣きそうになりながら、夢中でカメラのシャッターを押す。
仕事から帰ってきたパパに「今日はこんなことができたよ」と報告して、写真を見て、2人で笑う。あなたがくれるたくさんの笑顔の時間が、私たち夫婦の幸せそのもの。月並みなセリフだけど、やっぱり言いたい。
「私たちのところに生まれてきてくれてありがとう。いつも素敵な笑顔をありがとう。これからもよろしくね。」
ママより愛をこめて。まんまる笑顔が可愛い娘へ。

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