持田ヘルスケア株式会社

助産師に聞く 妊娠後期のQ&A

助産師に聞く 妊娠後期のQ&A

妊娠後期の悩み・不安

出産を間近に控えた妊娠後期は、からだだけでなく、心も不安定になりがちです。
ひとりで抱え込まずに、助産師さんに相談をして残り少ない貴重な妊娠期間を存分に楽しみましょう。

Q.

妊娠後期の食事で、気をつけることは?

妊娠後期の食生活の特徴は?
妊娠後期の妊婦さんが摂りたい栄養って?
妊娠中には控えたほうが良い食べ物を教えてください。

A.

妊娠後期、おなかが大きくなり、胃が圧迫されることで、食欲不振や、胸やけなどの症状が出てくる時期ですね。この時期は、赤ちゃんの発育のために必要なエネルギー量が増える時期です。食事を一日5〜6回の小分けにするなど工夫をして、必要な栄養をしっかり摂りましょう。

妊娠後期も妊娠初期・中期と同様、バランスのよい食事が基本です。バランスのよい食事とは、昔からの日本食、一汁二菜の定食メニューです。中でも、優先して必ず摂りたいのが、妊娠中に大切な3大栄養素。葉酸・鉄分・カルシウムです。

葉酸:赤ちゃんの発育のために、妊娠中どの時期でも必要な栄養素です。
水菜やほうれん草などの葉物野菜、レバー、納豆、果物に含まれています。しかし、普段の食事からだけでは不足しやすい成分なので、サプリメントを活用しましょう。

鉄分:鉄剤からではなく、基本は食べ物から摂る習慣を!
妊娠後期は、貧血になりやすい時期でもあり、赤ちゃんのからだに血液を回すためにより多くの鉄分が必要とされます。肉・魚介・豆製品・野菜やひじきや海苔などの乾物に多く含まれます。

カルシウム:赤ちゃんの骨を形成するために必要な栄養素です。チーズやヨーグルト、小魚など朝食やおやつとして手軽に摂りやすい栄養素です。

これらの3大栄養素は、お産後も摂り続けてほしい大切な栄養素です。
妊娠をきっかけに、意識して摂るようにしましょう。

最近、「妊婦の低栄養」が問題となっています。お母さんの栄養が足りていないために、小さく生まれる赤ちゃんが増えているのです。
胎児のときに低栄養下で育った赤ちゃんは大人になってから、生活習慣病になりやすいといわれています。お腹の中にいる時から、赤ちゃんの健康な体づくりは始まっているのです。妊娠中から必要な栄養素をしっかり取り入れたバランスのよい食事を習慣づけましょう。

外食やコンビニ食、間食を取る際のポイントも押さえておきましょう!
外食やコンビニ食では、
「単品よりも定食」
「600kcal前後のもの」
「魚介や豆腐・大豆を使ったメイン、野菜たっぷり」のメニューを選びましょう。

間食は果物や小魚、ヨーグルト、チーズ、ナッツ類など1日200kcal程度に抑えましょう。

妊娠中に気をつけてほしいものがあります。
「リステリア菌」と魚の「水銀」、「アルコール」です。

リステリア菌:妊婦さんに特に注意して欲しい食中毒の菌です。妊婦さんが感染すると、お母さんは無症状や軽症でも赤ちゃんに大きな影響を与えます。非加熱のナチュラルチーズ、肉・魚のパテ、生ハム、スモークサーモンなどは控えましょう。

水銀濃度の高い魚:赤ちゃんに影響を与える可能性があると懸念されています。
キンメダイ、メカジキ、マグロ、クロムツ、クジラ、イルカなど。種類と量に気をつけましょう。

*厚生労働省HP 「これからママになるあなたへ」
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/06.html

アルコール:妊娠期間中の飲酒はNGです。飲酒の頻度や量などは関係なく、赤ちゃんに発育障害や神経障害、奇形などの胎児性アルコール症候群という異常を起こす可能性があります。

バランスのよい食事は、今後の自分の体づくりだけではなく、これから誕生する赤ちゃんや家族の健康な体づくりにつながっていきます。
妊娠・出産が、バランスのよい食事を習慣づける良いきっかけになるといいですね。

回答いただいた助産師さん

大谷紗弥子さん

  • 聖母病院(東京都新宿区)勤務。
    妊産婦さんやそのご家族が安心して新たな家族を迎えられるようにサポートをするかたわら、妊娠前の女性や妊婦さんへの食育やマタニティヨガを通して、女性のからだづくりにも携わっている。

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