持田ヘルスケア株式会社

小児科医に聞く 赤ちゃんのお肌Q&A

小児科医に聞く 赤ちゃんのお肌Q&A

第2回「赤ちゃんの紫外線・皮脂対策」

大人と同じように赤ちゃんが紫外線を浴びて大丈夫?皮脂が多いときの洗顔は?赤ちゃんのための肌対策について。

「紫外線」が赤ちゃんに与える影響

皮膚にはふたつの役割があります。ひとつは外敵を防ぐバリアの役割。もうひとつは、体内の水分が外へ抜けることを防ぐ役割。出生直後の赤ちゃんの皮膚はこのふたつの機能が未完成で、大人に比べ皮膚の層が薄く、紫外線にあたると、表面だけの日焼けではなくもっと深くまで達し、皮膚の機能を壊す恐れがあるといわれています。紫外線の強いオーストラリアなど南半球の子どもの施設や幼稚園では、「外出時は帽子をかぶる」「日焼け止めクリームを塗る」など、紫外線対策が法的に決められています。日本でも環境が変化していますので、夏場は今まで以上に意識をしなくてはいけませんね。

赤ちゃんの「紫外線対策」

紫外線について、どの程度まで対策すべきか明確なデータがあるわけではありません。しかし大人に比べ、赤ちゃんの皮膚はとても薄く紫外線の影響を受けやすいのは確かです。外出時は大きな帽子をかぶせたり、長めの服を着せてあげたりするなど、直射日光を避ける工夫を心がけ、紫外線の強い時間の外出はなるべく避けましょう。外気浴なども、夏場の強い直射日光が当たる時間帯を避けることが大切です。

赤ちゃんは「皮脂の分泌」が活発です」

赤ちゃんは、おなかでママからもらうホルモンの影響で、皮脂の分泌が活発です。生後およそ1カ月~1カ月半頃になると、おでこの上の方から前頭部にかけて湿疹が出ますが、これは、その脂が漏れるためにできる「脂漏性湿疹(しろうせいしっしん)」です。顔の湿疹は、程度に違いがあっても、どの子にもできます。これは皮膚が成熟していくときに必ず通る過程。ママのケアが悪かったのではなく、たまたまその子の皮膚の分泌が活発なだけなのですから、自信を持って育児をしてください。スキンケアとしては脂分をとってあげること。赤ちゃん用の石けんで洗顔をしてあげるといいですよ。

夏のスキンケア

肌に脂分の多い新生児期~3カ月の間は2~3日に一度顔を洗って脂分を抑え、夏場の汗をかきやすい時期はこまめに沐浴をしてあげてください。沐浴が大変だったらシャワーや部分浴でも大丈夫。それでも湿疹が改善されなければ、病院に行った方がいいでしょう。湿疹は、出始めるとすぐにひどくなるので、早めの方がいいですよ。また、新生児のうちは、首の後ろから肩甲骨の間にかけて熱を再生する褐色細胞があり、頭がとにかく熱いので、髪の毛を刈って短くして風通しをよくしてあげてください。昼寝の時は頭の下に冷たいものを敷いて冷やしてあげると気持ちよく寝てくれます。

監修の先生のプロフィール

加部一彦(かべかずひこ)

加部一彦(かべかずひこ)

  • 埼玉医大総合医療センター新生児科教授、小児科医。
  • 新生児集中治療室(NICU)で、主に早産のために小さく生まれたり、生まれてすぐに何らかの病気をかかえ、入院となった赤ちゃんのお世話を生業としている他、医療安全や病院建築など幅広い領域に関心を持って活動中。すでに社会人となった3人の息子達とはSNSで情報交換したり、時には飲みに行ったりと、「オトナの付き合い」ができる様になった事を喜んでいる。著書に『新生児医療は、いま』(岩波書店)、『障害を持つ子を産むということ』(中央法規出版)など。

石井のぞみ(いしいのぞみ)

石井のぞみ(いしいのぞみ)

  • 東京女子医科大学医学部卒業。現在、愛育病院小児科勤務。01年12月に女児を出産、02年4月より職場復帰。自分が子どもを持ったことで、よりママ・パパの気持ちがわかるようになり、具体的なアドバイスができるようになったと話す。近年の小児科は、心の問題の比重が大きくなってきている。精神的な面から体の不調を訴える子どもたちとママ・パパの力になっていければと考えている。

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