持田ヘルスケア株式会社

小児科医に聞く 赤ちゃんのお肌Q&A

小児科医に聞く 赤ちゃんのお肌Q&A

第5回「アトピー性皮膚炎」その2 アトピーになったら

病院での「アトピー」治療と自宅でのケア。ママやパパにできることは?

Q:ステロイド剤と非ステロイド系といわれる薬の違いは?

ステロイド剤と非ステロイド系といわれる薬は、作用も効き方も違います。ステロイド剤はホルモンですので、組織を修復するために働き、非ステロイド系は、炎症を抑える抗炎症剤として働きます。

Q:冬は加湿器を使ったほうがいい?

冬場は乾燥しますから、加湿することは大切です。特に、寝るときなどは加湿器を使ったほうがいいでしょう。でも、加湿器の中に水を貯めっぱなしにしておくとカビやばい菌が発生して、かえって健康を損なうことになってしまうので、こまめに掃除をしてください。

Q:「アトピー」になった場合、着るものや食事で工夫できる点は?

着るものは、刺激の少ないものを選ぶといいですね。食事は、自分のできる範囲でやるということが大切だと思いますよ。子どものためによいことをいろいろしてあげたいと思うのは、母親の気持ちとして当然だと思いますが、それがエスカレートすると、かえって自分を精神的に追い込む結果になりかねません。肩肘を張らずに、自分ができることをできる範囲でやればいいんです。「アトピー」の症状は、とても複雑です。短期的に何かひとつを変えたくらいで悪化したり、改善できたりするものではないんですよ。ですから、子どもの発育という長いスパンのなかで考えながら、その時々に合った対処をしてあげれば十分だと思います。

Q:ローション、オイル、クリーム、軟膏。どんな場合にどんなものを使う?

それぞれ使い方が違うので、目的に応じて使い分けましょう。まず、汗腺がつまることで起きる「あせも」の場合は、肌をサラッとさせる作用のあるローションが適しています。保湿をしたいときは、ある程度カバー効果のあるオイルまたはワセリンを。クリームは一定の時間しか皮膚の上にとどまれませんので、程度の軽い湿疹や炎症に使います。一方ひどい湿疹の場合は、患部をカバーし長時間薬を皮膚の上にとどめておく作用のある軟膏を使うのがいいでしょう。

Q:「アトピー」の食事制限について教えてください。

極端な食事制限をすることはありません。最近は、食べると具体的にアレルギーの症状が出る食材のみを除去しています。昔は、抗体検査をして反応があったものは全て除去するという方法でしたが、最近は、抗体検査で反応が出たものでも、100%アレルギー物質とは限らないことが分かってきました。どんなものがアレルギー物質かは、人によってさまざまです。抗体検査で値が高かったにも関わらず、何の問題もなく食べられる場合もあれば、値は低いけれど少し食べただけでも湿疹が出る場合もあります。また、食べる量や調理の仕方によっても違います。

監修の先生のプロフィール

加部一彦(かべかずひこ)

加部一彦(かべかずひこ)

  • 埼玉医大総合医療センター新生児科教授、小児科医。
  • 新生児集中治療室(NICU)で、主に早産のために小さく生まれたり、生まれてすぐに何らかの病気をかかえ、入院となった赤ちゃんのお世話を生業としている他、医療安全や病院建築など幅広い領域に関心を持って活動中。すでに社会人となった3人の息子達とはSNSで情報交換したり、時には飲みに行ったりと、「オトナの付き合い」ができる様になった事を喜んでいる。著書に『新生児医療は、いま』(岩波書店)、『障害を持つ子を産むということ』(中央法規出版)など。

石井のぞみ(いしいのぞみ)

石井のぞみ(いしいのぞみ)

  • 東京女子医科大学医学部卒業。現在、愛育病院小児科勤務。01年12月に女児を出産、02年4月より職場復帰。自分が子どもを持ったことで、よりママ・パパの気持ちがわかるようになり、具体的なアドバイスができるようになったと話す。近年の小児科は、心の問題の比重が大きくなってきている。精神的な面から体の不調を訴える子どもたちとママ・パパの力になっていければと考えている。

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